私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「…なんで、ここに」
「お前が結婚式の招待状を送ってきたんだろ」
「え、あ……」
確かに、私は結婚式の招待状を永塚組の屋敷があった住所へと送っている。
でも、あの屋敷は今はもう平地になっていて、その住所に送っても相手に届くはずがなかった。…確かに、届けられなかったと戻ってこなかったけど、まさか本当に季龍さんの元にまで届いていたなんて…。
届いたのはいいとして、まさか季龍さんが足を運んでくれるなんて思いもしなかった…。
呆然と季龍さんを見つめていると、季龍さんは何かを差し出してくる。それは小さな花束だった。
「おめでとう」
「…あ、ありがとうございます」
チクリと胸が痛んだのは、気のせいだ。
花束を受けとり、また口を閉ざす。何を話したらいいのか分からなくなってしまった。