私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「ここちゃん、ちょうだい」
「自分で…」
「いーからいいから!」
そんな調子で手から離れて行ったボストンバッグ。ついでに季龍さんの隣に放り込まれた。
そして颯爽と車を走らせる信洋さん。
…今から本当に修学旅行に行くの?
正直実感がない。季龍さんを見上げても、いつもと変わらない様子で、特別な感じは何もない。
だからと言って、季龍さんが修学旅行で喜んでる姿なんて想像できないけど…。
「なんだ」
じっと見つめすぎていたのか、季龍さんは怪訝な顔をしてる。
「あの、本当に行くんですか?」
「行きたくねぇのか?」
「いや、そうじゃないんですけど…」
私なんかが行っていいのかな?永塚組の家事だってやれなくなっちゃうのに…。