私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

何て言えばいいか分からず口を閉ざしていると、頭を撫でられる。

「また変なこと考えてんじゃねぇ。琴音、お前は家族だと何度言えばわかる」

「…でも」

「だぁっ!!ここちゃん!平沢さんに言い付けるよ!?」

「嫌ですッ!!」

信洋さんの言葉に全力で拒否する。

前に平沢さんに遠慮するなと怒られたことがある。でもとか、だってとか繰り返してたら屋敷に響き渡るほどの大声で叱られた。

それはそれはすごい剣幕で、何事かと駆けつけてきた人たちが平沢さんを取り押さえる騒ぎになったくらいだ。

その騒ぎのあと、平沢さんは娘が親父にわがままの1つ言わねぇとは何事だとあとでこっそり叱られた。

…分かってる。分かってるはずなんだけど、まだ完全に甘えきれない。
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