私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「琴音」

呼ばれて顔をあげると、口に何かを放り込まれる。

口の中で転がったそれはあめだった。コロコロと口の中で転がしていると、なでなでされる。

…小さい子じゃないのに。

でも、何となく緊張がほぐれていくような気がした。

「着いたよー」

信洋さんの言葉通り、いつの間にかいつも降ろしてもらってる場所につく。

先に降りていった季龍さんに着いていき、ボストンバッグを出してくれる信洋さんから受け取ろうとしたけど、季龍さんに阻まれてしまう。

おまけにボストンバッグを貰おうとした手は季龍さんの手の中に収まった。

「自分で持てます」

「あ?片手で持てんのか」

「持てますッ!」

繋がれた手と反対の手を伸ばして見せると、前触れもなくボストンバッグを渡されてしまう。もちろんすぐに反応できず落としかける。
< 364 / 407 >

この作品をシェア

pagetop