私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

肩にかけようとしたけど、その前に再びさらわれていくボストンバッグ。

季龍さんを見上げると、意地悪な顔をしていた。

「持てますッ!!」

「お前は俺の手だけ持ってりゃいいだろ」

「…え?」

思わずポカンとして固まってしまう。

季龍さんに引っ張られると、自然と足は進むけど、だんだんと顔が熱くなっていくのが分かる。

…なんでそんなに恥ずかしいこと言えちゃうのかな。

季龍さんの心は鋼なのかもしれない。そう思うことにして、繋がれた手を握り返した。

グランドに行くと、もう大勢集まっていた。その中に紛れていく前に、どこからともなく上がった悲鳴。

…はい、まだ登校する度に女子の悲鳴と非難の目は止みません。

あからさまな嫌がらせとかが失くなっただけましだけど、私はまだまだ女子たちの敵であることに変わりない…。
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