私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「…すみませんでした」
「謝って済む程度なら、俺はてめぇに失望なんかしねぇ」
「…」
「組のことは親父が絡んでるからそう多く言ってもムダだろうな。…でも、琴音のことはちげぇだろ。てめぇの惚れた女だろう。それをよくも…」
平沢の言葉が止まる。
…琴音が平沢の袖をつかんでいた。さっきまでぼんやり庭を眺めていたはずなのに。
俺を、守るため…?
「…琴音、お前こんな奴を庇うのか?」
「…」
「…ッチ」
琴音の頭をひと撫でした平沢は屋敷の中に戻っていく。平沢がいなくなっても、琴音は平沢のいたところを見つめたままだ。
「…琴音?」
声をかける。それでも、視線は向けられない。
ただの偶然か?…それとも、俺を助けようとしてるのか?