私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

でもまぁ、片っ端から行くのはあり…か?

琴音はぼんやり前を見たまま。何かを見つめている様子もない。

何かに反応するかもしれねぇしな…。

行動範囲が広がるとは思ったが、思い付くことがない。とりあえず近くのショッピングセンターに向かって歩き出す。

時々琴音の反応を見つつ足を進めるが、道中琴音が視線を向けるものは何もなかった。

ショッピングセンターは人で溢れ返っていて、思わずそのままUターンを決めたくなる。

だが、ここならありとあらゆる物で溢れかえっている。

わざわざ目的の物を探すのに移動する手間はずっと軽い。

「…行くか」

「…」

琴音の肩を抱き寄せて前に進む。とりあえず表だけでも見て回ろうとフロアを横切っていく。

だが、琴音が反応を示すものはないまま、全てを回りきってしまった。
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