私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

近くにいた奏多を呼び寄せ、琴音を任せるとケーキのある店を探した。

フードコート内にはなく、結局1階の食料品の近くまで行かなくてはなかったものの、何とかケーキは手に入れた。

フードコートに戻れば暁も加わっていて、俺の姿を認めるなり2人はまた人混みの中に戻っていった。

それが奴らなりに気を使っているんだと簡単に分かって苦笑する。

琴音の前にケーキの箱を置き、隣に腰かけた。

「お前、ショートケーキが好きとか言ってただろ?」

「…」

「食べれるだけでいい。食べろ」

本当は何種類か買ってこようとも思ったがやめた。琴音がそんなに食えるとは考えにくかったし、残った分の処理を自分ができるかと言われれば無理だとしか思えなかった。

そうして悩んで買ってきたショートケーキを前にしても琴音はそれに視線を向けることすらしない。

本当に食べるのか少し不安になる。
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