私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

…目を覚ましたとき、あなたの背が見えた。

呼びたかった。なのに、声はでなくて。

体は鉛より重くて、動けなかった。

「    」

声がでない。…違う。動けない。

口も、手も、足も、体も何も、動かない。

どうして…?

必死で動かした手はほんの少しずつしか動かなくて、やっとの思いで動いた手は何かを落としてしまう。

あなたが振り返ったとき、嬉しくて、嬉しくて仕方なかった。

あなたが手を握ってくれたとき、心に灯がついたような気がした。

…でも

「琴音?」

動けないの。嬉しいのに、こんなにも嬉しいのに。どうして…?
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