私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

目を覚ました世界は、私だけを置いていく。

あんなに傍にいてくれたあなたはどんどん離れていってしまった。

…季龍さん。

呼びたい。話したい。また笑って。また、抱き締めて。また、……………。

もう、必要ないのかな。

あなたはいなくなって、世界は狭くなる。

目を覚まさなければよかった。

こんな気持ち捨ててしまえば良かった。

こんなに苦しいのに、どうして動けないの?

わからない。もう、何も分からない。

あなたの気持ちも、自分の気持ちも、分かりたくない。

分からない方が、ずっと、ずっと、幸せだったのに。

どうして気付いてしまったんだろう。

どうしてあなただったんだろう。

いっそこと、死んでしまえば楽だったのに。
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