私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

―――――

「ッは!?…はぁ、はぁはぁ」

…ゆ、め?

ここ、どこ?世界が揺れる。世界が、回って…。

「琴音、まだ寝てろ」

「…?」

この、声…。ゆっくり顔をあげる。季龍、さん?

ここは、季龍さんの部屋?

どうして、私寝てたんだっけ…?

頭が痛い。視界が揺れてぐらぐらする。肩を捕まれて振り回されてるみたいだ。

目を閉じて耐えていると、温かいぬくもりに包まれる。…あたたかい。

ゆっくり目を開けると、季龍さんの顔が目の前にあって息を飲む。

「…き、りゅう……さん?」

「…あぁ」

「……」

どうしたんですか?

そう聞こうとしたのに、包み込むように抱き締められて言葉は出なくなる。

…あったかいなぁ。
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