私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

季龍さんの肩に額を着ける。

そこまでして、ハッとした。私何やって!!?

離れようとしたけど、それ以上の力で抱き締められた体は離れられなかった。

「琴音、おかえり」

「…」

おか、えり?

…急に熱が冷めていく。

季龍さん、私はずっと見ていたんだよ?なのに、どうして今おかえりって言うの?

私は、どこにも行ったりしていないのに…。

季龍さんと距離を感じる。

何も言えなかった。何て返せばいいのか分からなかった。

「琴音、医者が来てる。話せるか?」

「…コク」

離れたかった。季龍さんと、距離を置きたかった。
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