私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

すぐに来てくれたお医者さんは、あれこれ言ってくる。

肩を上げてとか、歩いてみてとか。

でも、やってみて気がついた。

右腕がうまく上がらない。左足が思うように動いてくれない。

そして、少し動いただけのはずなのに、息が上がって、少し苦しかった。

全ての検査を終えたのか、お医者さんは傍にいた季龍さんに視線を向ける。

「撃たれた部分が悪かったんでしょう。右肩と左足の可動域に制限があります」

…撃たれた?…私が?

その時、チリッと頭が痛み、赤い炎が見えた気がした。

「リハビリで治るのか」

季龍さんの声で我にかえる。

…撃たれたって、本当なんだ。動揺を見せない季龍さんにそれが事実なんだと突き付けられる。

でも、記憶がない。どうして、私は撃たれたの?
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