私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「琴音!」

目の前が真っ暗になる。

「琴音、落ち着け」

「っう…うぅ」

き、りゅう…さん?

頭がふわふわする。気持ち悪いのは止まない。

季龍さんの肩に額をつけたまま、何度も深呼吸を繰り返す。

それでもなかなか収まらない吐き気に、頭痛まで起こり始めて、体に力が入らなくなっていく。

「…っはぁ…はぁッゲホゲホ……」

季龍さんに完全にもたれた状態のまま、動けずにいると、急に体が浮いて息が一瞬つまる。

そのままどこかに向かう季龍さんだけど、歩く度に揺れる振動すら辛くて、何とか吐かないように耐えるので精一杯だった。
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