私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
急に歩みが止まる。
同時に下ろされるけど、自分の力で立つことすらできず、季龍さんに片腕で支えられていた。
「我慢するな。ここなら吐いていい」
「ッゲホゲホ……っうぁ」
「琴音、無理しなくていい」
背中を擦られる。それでも、ただむせるだけで吐くに吐けない。
「…琴音、悪い」
謝られるのとほぼ同時に口に何かが入ってくる。
季龍さんに無理矢理吐かされたけど、なにも食べていなかったせいで胃液しか出なかった。
それでも、少しだけ楽になった。だるくて動けそうになかったけど…。
タオルで口元を押さえながら季龍さんを見上げる。
「どうしたまだ気持ち悪いのか?」
「…フルフル」
「…すぐに言えよ」
頬を撫でられる。その手に甘えるように頭を傾けると、季龍さんは笑みを浮かべる。