私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

でも、いた建物が火事になったのは何となく覚えてる。

…それで、どうなったのかは分からないけど、外に出ていて。

……それで、私は…どうして撃たれたんだろう。

そこまで話終えると、体を支えてくれている季龍さんの腕の力が増していることに気がついた。

見上げると、季龍さんは後悔に支配されたような顔をしていた。

「…ここちゃん」

信洋さんも、どうしてそんなに辛そうな顔をしているの?

…私が撃たれたのは、私のせいじゃないの?

「ここちゃんが撃たれたのは、ここちゃん自身が狙われていた」

「…」

「ここちゃん、ここちゃんは俺たちに出会う前から命を狙われていた。…俺は、そう思ってるよ」

…私が、狙われていた。

その言葉はあまりにも自然に心に落ちた。

そして、頭の隅で知ってたと声がする。

…うん、知ってた。私は、宮内 琴葉は命を狙われていた。

でも、それならどうして季龍さんも、信洋さんもそんな顔をしているの?
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