私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

「…守れなくてごめん」

「え?」

「完全に油断してた。ここちゃんに、あんな大怪我をさせて、本当に…」

「ッ謝らないでください!!」

咄嗟に大声を出す。

でも、喉が久しぶりの大声に驚いて、何度か咳き込んだ。

何とかそれを落ち着けて、信洋さんに視線を向ける。

「謝らないで、ください…。……私は、知ってました。…宮内琴葉は、命を狙われていた。分かってたんです」

「…どうして、知ってるの?」

「………」

どうして、なんだろう。…分からない。何か忘れてる。私は、どうして命を狙われていたんだろう。

返事が出来ないでいると、季龍さんに抱き締められる。

「今日はここまででいいだろ。続きはまた今度にする」

「でも」

「ここちゃん、無理はしたらダメだよ」

信洋さんの声で、ハッとする。

…ずっと手が震えてる。…いつから震えてたんだろう。
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