私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
不意に、口を塞がれる。季龍さんの瞳と至近距離で視線が重なる。
……今、季龍さんとキスしてる…?
「…琴音、忘れろ」
「…え?」
季龍さんの顔がまた近づいてくる。タオルを持つ手を掴まれた途端、自然と力が抜けてタオルが落ちる。
バカな顔をしてた。
でも、そんなこと考えることすら出来なくて。
「ぁ…」
季龍さんに翻弄されるまま、力が抜けていく。
気づいた時には、季龍さんに身を任せていた。
「全部忘れろ。他の男のことなんか、全部」
―全部忘れて、俺だけを見てろ
耳元で呟かれた言葉に心は一気に熱くなる。
…ねぇ、季龍さん。
私は、あなたの隣に立つ権利はきっと持ってない。
でも、…でも。少しだけ夢を見ることは許されますか…?