私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「ねぇ、琴音ちゃん」
肩が揺れる。
信洋さんの目は笑ってない。そして、私を琴音ちゃんと呼ぶ信洋さんは怖い…。
「どうして分かるの?」
「え?」
「どうしてこれが、どこかのどこかの情報にアクセスしようとしてるなんて分かるの?」
…どうして?
そんなの、わかるに決まってる。
だって、信洋さんが知らないパスワードのかけられた画面は、少なくとも永塚組の情報ではない。
そんなの、分からないのがおかしいんじゃないの…?
「…だって、信洋さんが知らないパスワードなら、これは永塚組の情報じゃないです」
「忘れちゃったんだよねパスワード」
「っそれなら、誰かに聞けばわかるはずです!自力で無理矢理解く手間をかける意味がない!」
「でも、情報にアクセスすることには繋がらないでしょ?」
「それは…」
確かにそうだけど…。
でも、信洋は否定しない。それは正しいからだ。
…なら、どうしてわざわざ信洋さんは私を試そうとするの?