私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
『あー!』
『琴葉ちゃん』
「………『おばあさま』……」
「おばあさま?」
復唱された声で我にかえる。
怪訝な顔をした季龍さんと視線が重なる。
「お前の祖母じゃないだろ」
調べたのかな。断言する季龍さんは、この人が私の血の繋がった祖母ではないことを知ってる。
そう、この人は血の繋がった祖母じゃない。まして、親族でもない。
「…正裕様のおばあ様」
「は?」
「陣之内 華江(じんのうち はなえ)様。…お母さんが仕えていた人」
「そう。そして彼女は、…華江はわしの初恋の相手だ」
源之助さんの言葉は、驚きもなくすんなりと受け入れられた。
源之助さんに連れられて行った墓参り。あれを見たとき、もしかしてと頭に浮かんでいた。