私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
「待ってくれ。なんで琴音が親父の初恋の相手を知ってる?それに、なんで実の祖母でもない人をおばあ様なんて呼ぶんだ」
全く話が見えていない季龍さんは説明を求めて源之助さんを見る。
それでも、源之助さんは季龍さんに視線を向けようとはしなかった。
「琴葉ちゃん、彼女の最期を覚えているかい?」
息がつまる。
瞬時に駆け抜けたのは、モニターが並ぶ暗い部屋と、そこにいた人影。そして、赤く舞ったナニカ…。
これは、夢じゃ……ない?
「…わた、し……は………」
頭の中をかき回されてるみたいだ。
気持ち悪い。吐き気がする。
嫌だ。やめて……ころさ、ないで………。
「…私は、……わた、し」
「っ琴音!!」
力強い声に現実に引き戻される。手が震えていた。ううん、手だけじゃない。足も、体も、震えて全く力が入らない。