青い恋人たち 上
謎の少年
「青兄やっぱバス使わない?!」
「う〜ん…ああ〜もう!真央が新学期早々に寝坊するから。」
「それは何度も謝ったじゃん!」
新学期初日、真央は相変わらずの寝坊。
そして、いつも通り青の自転車の後ろに乗って学校に向かって行くのだが、自転車の通学道は下水道工事やらが始まり、通行が遠回りしたりと複雑となっていた。
「しょうがねぇーな、バス使うか!」
青は道路沿いの方へと行き、バス停近くの駐輪場に自転車を止めた。
すると、バスがちょうどやってきた。
「青兄ちゃんバスバス!バス来た!」
急いで自転車のカギを外して輪っかをつけ、バス停前へと2人は走った。
「…これやばくねーか?絶対乗れねーだろ。」
「朝のバスってほんとなんでこんな多いの!?」
それは、もうドア付近まで人が乗っており、さらに真央たちのいるバス停から、もう5人ほど乗る予定だった。
「ほら真央乗れ!」
真央がバスに乗り、青が後ろから押す。
「青兄も早く!」
と、その時
「ドアが閉まります。」
バスの運転手がアナウンスで言い、ドアを閉める。
「え!?うそ 青兄!」
「いいから先行け!」
そのままドアが閉まり、真央はバスのドア付近で、他の人のカバンに押しつぶされながら、バスは発車した。
ここは3つの高校生が乗るバスであり、
その中で真央の降りる高校は最後なため、次第に人が減って来た。
そしてイスが空いたため、真央は座った。
隣に誰かいたような気がするが、バスにのってからわずか10分でくたくたになった真央に再び眠気が訪れたため、
すぐに爆睡してしまった。