タイムスリップ
聞く人に困らないと言えどきちんと教えてくれる優しそうな人がいい。
そんな事を思いながら公園を歩いてると、
ふとベンチに座って本を読んでる女性が目に止まった。黒髪が綺麗な柔和な顔をした若い女性だ。
こういう人を大和撫子と言うのだろう。
大和撫子さんと呼ぼう。
「あの~すみません」
「はい?あら、リンちゃんじゃない。どうしたの?」
女性が顔を上げ私を見る。その瞳があまりにも綺麗な赤色で、私は思わずその瞳に魅入ってしまった。
「えと、リンちゃん?そんな見つめられても…」
「あっ!すみません!えっいや待って今なんて!?」
今この大和撫子さん私の事リンちゃんって呼ばなかった!?
「え、私の事知ってるんですか!?」
私を知ってる人に遭遇するというまさかの展開に思わず大和撫子さんの服を思い切り掴みながら聞いてしまう。
「え、ええ…?今更どうしたの?ついこの間も一緒に遊んだばかりじゃない。それにいきなり敬語だなんて。」
大和撫子さんが心配そうに私の顔を見る。
その時大和撫子さんの顔にほんの一瞬だがはっきりと不信感が浮かんだ。
理由は分からないが、その表情の変わりようが一気に私の不安を駆り立てる。
「一緒に…遊んだ…?」
どうやら私たちは知り合いで、しかも仲良しさんらしい。
これはまずい。知り合いに会えたのは思ってもみない幸運だけど、私はこの人とどういう関係なのか全く分からない。
ヘマをしたらなにか勘ぐられるかもしれない。
正直もう手遅れな気がするが、
面倒くさい事態になる前に情報を聞き出さないと。
「リンちゃん?ほんとに大丈夫?顔色悪いわよ?」
「あっ、だ、大丈夫!ね、それよりさ
帰り道が分かんなくなっちゃったんだけど…」
「なんだ、迷子だったのね。もしかして今日は一人で来たのかしら。あなたの家は二丁目の3番地。ここから見えるあの大きな家よ。」
言いながら大和撫子さんが私の後ろを指を指す。
指を指した方向を見ると確かに大きな家が見える。
「あれが私の家…?ここからどんくらいかかるの?」
「そうね、リンちゃんの歩幅だと歩いて2、30分ってとこかしら。今日はバスで来なかったの?」
「バス?この時代にもバスがあるんだ…」
「リンちゃん?」
「えっ?あーバスね!うん。ちょっと歩こうと思って。ところで今って西暦何年だっけ?」
これ以上喋ってるとさらに心配されそうだ。
さっきの不信感丸出しの表情も引っかかるし、さっさと聞きたいこと聞いて大和撫子さんと別れた方がいいかもしれない。
「西暦…?今は2157年よ。」
少し戸惑いながら大和撫子さんが答える。
「にっ、2157年…!?私がいたのは2017年だから…140年後…?嘘でしょ…そんなに未来まで来ちゃったんだ…」
「リンちゃん?未来とかってどういうこと?えと…大丈夫なの?」
いきなりぶつぶつ言い始めた私に大和撫子さんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「あ、だ、大丈夫!!大丈夫だよ!」
「…本当に?今日のリンちゃんは変よ。いきなり敬語使い始めるし、変なことは聞くし。それに…それに…」
大和撫子さんは何か言い淀むように目を泳がせたあと恐る恐る口を開いた。
その表情はさっきと同じで、私に不信感を抱いているのが分かる。
「…ねぇリンちゃん…その目……どうしたの?」
震えた声で大和撫子さんはそう言った。
私の目を逸らしながら。
そんな事を思いながら公園を歩いてると、
ふとベンチに座って本を読んでる女性が目に止まった。黒髪が綺麗な柔和な顔をした若い女性だ。
こういう人を大和撫子と言うのだろう。
大和撫子さんと呼ぼう。
「あの~すみません」
「はい?あら、リンちゃんじゃない。どうしたの?」
女性が顔を上げ私を見る。その瞳があまりにも綺麗な赤色で、私は思わずその瞳に魅入ってしまった。
「えと、リンちゃん?そんな見つめられても…」
「あっ!すみません!えっいや待って今なんて!?」
今この大和撫子さん私の事リンちゃんって呼ばなかった!?
「え、私の事知ってるんですか!?」
私を知ってる人に遭遇するというまさかの展開に思わず大和撫子さんの服を思い切り掴みながら聞いてしまう。
「え、ええ…?今更どうしたの?ついこの間も一緒に遊んだばかりじゃない。それにいきなり敬語だなんて。」
大和撫子さんが心配そうに私の顔を見る。
その時大和撫子さんの顔にほんの一瞬だがはっきりと不信感が浮かんだ。
理由は分からないが、その表情の変わりようが一気に私の不安を駆り立てる。
「一緒に…遊んだ…?」
どうやら私たちは知り合いで、しかも仲良しさんらしい。
これはまずい。知り合いに会えたのは思ってもみない幸運だけど、私はこの人とどういう関係なのか全く分からない。
ヘマをしたらなにか勘ぐられるかもしれない。
正直もう手遅れな気がするが、
面倒くさい事態になる前に情報を聞き出さないと。
「リンちゃん?ほんとに大丈夫?顔色悪いわよ?」
「あっ、だ、大丈夫!ね、それよりさ
帰り道が分かんなくなっちゃったんだけど…」
「なんだ、迷子だったのね。もしかして今日は一人で来たのかしら。あなたの家は二丁目の3番地。ここから見えるあの大きな家よ。」
言いながら大和撫子さんが私の後ろを指を指す。
指を指した方向を見ると確かに大きな家が見える。
「あれが私の家…?ここからどんくらいかかるの?」
「そうね、リンちゃんの歩幅だと歩いて2、30分ってとこかしら。今日はバスで来なかったの?」
「バス?この時代にもバスがあるんだ…」
「リンちゃん?」
「えっ?あーバスね!うん。ちょっと歩こうと思って。ところで今って西暦何年だっけ?」
これ以上喋ってるとさらに心配されそうだ。
さっきの不信感丸出しの表情も引っかかるし、さっさと聞きたいこと聞いて大和撫子さんと別れた方がいいかもしれない。
「西暦…?今は2157年よ。」
少し戸惑いながら大和撫子さんが答える。
「にっ、2157年…!?私がいたのは2017年だから…140年後…?嘘でしょ…そんなに未来まで来ちゃったんだ…」
「リンちゃん?未来とかってどういうこと?えと…大丈夫なの?」
いきなりぶつぶつ言い始めた私に大和撫子さんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「あ、だ、大丈夫!!大丈夫だよ!」
「…本当に?今日のリンちゃんは変よ。いきなり敬語使い始めるし、変なことは聞くし。それに…それに…」
大和撫子さんは何か言い淀むように目を泳がせたあと恐る恐る口を開いた。
その表情はさっきと同じで、私に不信感を抱いているのが分かる。
「…ねぇリンちゃん…その目……どうしたの?」
震えた声で大和撫子さんはそう言った。
私の目を逸らしながら。