タイムスリップ
ふたり旅
そうして訪れた旅行日当日。
1泊2日分の荷物をしょって、お母さんに駅まで送ってもらった。
ふたりに旅館を決めさせるのは心配だから…
と、宿泊施設は私と海香の両親で相談して決めたそうだ。
ありがたいけど、ふたりで決めるのも楽しそうだったなー…とそんなことも思った。
電車が来るまであと5分、といったところで私のお母さんがふと思い出したように口を開いた。
「あ、そうそう!今から希空たちが行く旅館の近くにね、ある都市伝説があるのよ。」
「都市伝説?」
「そう!いつの時代も子供たちの興味を勝ち取り離さない伝説の都市伝説!」
何故か嬉々とした表情で語り始める母。
もしかしたらオカルトが好きなのかもしれない。
というか伝説の都市伝説ってなんですか
意味の重複だよ頭痛が痛いだよ。
それに最近は都市伝説ってそんなに流行ってないと思うんだけど…
「希空ママ!それってどういう都市伝説なんですか?」
興味津々といった感じで食いつく海香。
全く子供である。
「ふふふ…それはね…なんと時間遡行ができるのよ!」
「「え!?時間遡行!?」」
お母さんが言う都市伝説だから、てっきり旅館の近くの海に人魚が出るとか河童が出るとか超くだらないやつだと思ってた。
時間遡行というちょっとかっこいい感じの言葉に思わず胸が高鳴る。
「お母さん、それって、どこでできるの?詳しい内容は??」
「ぷっ、希空、めっちゃ興奮してる…この手の話好きだもんね〜」
時間遡行と聞いた瞬間目をキラキラさせ始めた私に海香が含み笑いを浮かべる。
「いやだって時間遡行だよ!?なんかかっこいいじゃん!」
「別に。」
「なんてやつだ!」
冷たい親友は放っておこう。
「で?お母さん、詳しい内容!」
「詳しい内容…?えっとねー…えーと…あのー……なんだっけかなー…あー…忘れたわ」
「てへぺろっ」と母。
いい年こいて何やってんだこのババア。
「お母さん!そこ大事なとこ!!」
「そうですよ~忘れたらダメなとこです~」
「ごっめ~ん。まぁそーいうの見つけるのも楽しいんじゃない?」
「はぁ~~~~」
母のいい加減さに思わずため息をつく。
「希空と希空ママってやっぱそっくりね…いい加減なとことか」
「ぐうの音も出ねぇ」
__3番線、上り列車、間もなく到着いたします。危ないですので、黄色い線までお下がりください。__
「あっ!海香、この電車じゃない?」
「そだね。そろそろだわ。」
「あらもう時間なの?いろいろ言いたいことはあるけど、取り敢えず怪我には気をつけるのよ。」
「はぁーい」
「あとくれぐれも不審者には近寄らないこと。暗くなる前に旅館に戻ること。それから海には入らないでね。くらげとかいたら大変だし暖かいとはいえ海辺は寒いんだから。それからそれから」
「わ、分かってるよ!?それは散々言われたからめっちゃ分かってるよ!?心配しないで!?大丈夫だから!」
「希空、電車きたよ。」
「じゃあお母さんいってきます」
「あぁもう本当に二人とも気をつけるのよ?行ってらっしゃい」
これ以上の小言は勘弁。とばかりにそそくさと電車にのる。
「お母さん行ってきます!」
「希空ママ、心配しないでください。私がついてますから。」
未だに心配そうな顔のお母さんに海香が言うと、途端に笑顔になる。
おい、私の信用度よ。
__ドアが閉まります。ご注意ください。__
「「じゃ、いってきまーす!!」」
1泊2日分の荷物をしょって、お母さんに駅まで送ってもらった。
ふたりに旅館を決めさせるのは心配だから…
と、宿泊施設は私と海香の両親で相談して決めたそうだ。
ありがたいけど、ふたりで決めるのも楽しそうだったなー…とそんなことも思った。
電車が来るまであと5分、といったところで私のお母さんがふと思い出したように口を開いた。
「あ、そうそう!今から希空たちが行く旅館の近くにね、ある都市伝説があるのよ。」
「都市伝説?」
「そう!いつの時代も子供たちの興味を勝ち取り離さない伝説の都市伝説!」
何故か嬉々とした表情で語り始める母。
もしかしたらオカルトが好きなのかもしれない。
というか伝説の都市伝説ってなんですか
意味の重複だよ頭痛が痛いだよ。
それに最近は都市伝説ってそんなに流行ってないと思うんだけど…
「希空ママ!それってどういう都市伝説なんですか?」
興味津々といった感じで食いつく海香。
全く子供である。
「ふふふ…それはね…なんと時間遡行ができるのよ!」
「「え!?時間遡行!?」」
お母さんが言う都市伝説だから、てっきり旅館の近くの海に人魚が出るとか河童が出るとか超くだらないやつだと思ってた。
時間遡行というちょっとかっこいい感じの言葉に思わず胸が高鳴る。
「お母さん、それって、どこでできるの?詳しい内容は??」
「ぷっ、希空、めっちゃ興奮してる…この手の話好きだもんね〜」
時間遡行と聞いた瞬間目をキラキラさせ始めた私に海香が含み笑いを浮かべる。
「いやだって時間遡行だよ!?なんかかっこいいじゃん!」
「別に。」
「なんてやつだ!」
冷たい親友は放っておこう。
「で?お母さん、詳しい内容!」
「詳しい内容…?えっとねー…えーと…あのー……なんだっけかなー…あー…忘れたわ」
「てへぺろっ」と母。
いい年こいて何やってんだこのババア。
「お母さん!そこ大事なとこ!!」
「そうですよ~忘れたらダメなとこです~」
「ごっめ~ん。まぁそーいうの見つけるのも楽しいんじゃない?」
「はぁ~~~~」
母のいい加減さに思わずため息をつく。
「希空と希空ママってやっぱそっくりね…いい加減なとことか」
「ぐうの音も出ねぇ」
__3番線、上り列車、間もなく到着いたします。危ないですので、黄色い線までお下がりください。__
「あっ!海香、この電車じゃない?」
「そだね。そろそろだわ。」
「あらもう時間なの?いろいろ言いたいことはあるけど、取り敢えず怪我には気をつけるのよ。」
「はぁーい」
「あとくれぐれも不審者には近寄らないこと。暗くなる前に旅館に戻ること。それから海には入らないでね。くらげとかいたら大変だし暖かいとはいえ海辺は寒いんだから。それからそれから」
「わ、分かってるよ!?それは散々言われたからめっちゃ分かってるよ!?心配しないで!?大丈夫だから!」
「希空、電車きたよ。」
「じゃあお母さんいってきます」
「あぁもう本当に二人とも気をつけるのよ?行ってらっしゃい」
これ以上の小言は勘弁。とばかりにそそくさと電車にのる。
「お母さん行ってきます!」
「希空ママ、心配しないでください。私がついてますから。」
未だに心配そうな顔のお母さんに海香が言うと、途端に笑顔になる。
おい、私の信用度よ。
__ドアが閉まります。ご注意ください。__
「「じゃ、いってきまーす!!」」