医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


どうしようもないほど、鼓動が早鐘を打っていく。

吸い込まれるように見つめ合った先生から目が離せないまま、気付けば唇は柔らかな感触に包まれていた。


「せん、せ……」


触れるだけの優しい口付けを落とした天笠先生は、「今すぐ返事が欲しい」と耳元で熱っぽく囁く。

それはもう、私の返答がわかっているような急かし方だった。


「信じられないけど……本当なら、嬉しいです」


初めて、病院で出会った時。
笑ってくださいなんて思わず言ってしまった時。
お休みの日に一緒に過ごした時。
仕事に自信がないと漏らした私を、優しく慰めてくれた時。
患者さんへの温かく真摯な姿勢を目の当たりにした時。

いつからかは、はっきりわからない。

でも、いつからか、天笠先生に特別な感情を抱いていた。

だから今日だって、突然誘われてドキドキして緊張したし、嬉しかったんだ。


「それは、いい返事と受け取っていいのか?」

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