医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「美味しいです、コーヒー」
ベッドの上でシーツをかぶり、両手には温かいコーヒーが入ったマグカップ。
甘い時間に酔いしれたあと、「待ってて」と寝室を一人出ていった先生はミネラルウォーターのペットボトルと、淹れ直したコーヒーを持って戻ってきてくれた。
「呼び方、白雪ちゃんからバージョンアップしていいか? 名前に」
水のペットボトルに口をつけた先生が、私の頬をさらさらと撫でてくる。
「はい、もちろんです。あの、私も……直希さんと呼んでも」
「俺の名前、覚えてたんだな」
「えっ? あ、当たり前じゃないですか! 名札とか、いつもすごい見てますし」
〝天笠先生〟としか呼んだことないから、下の名前は覚えられていないと思っていたのかもしれない。
「直希さん、か……なんかくすぐったいな、その呼ばれ方」
「そうですか? じゃあ、直希先生にしようかな」
新しい呼び方にちょっとドキドキすると、直希先生は「好きに呼んだらいい」と微笑んだ。