医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


カツ丼を眼下に、向かいには天笠先生。

どうしてこうなった、と思いながら、箸を手に取る。

逃げるようにカツ丼の載ったトレーを手に席を探し腰を落ち着けると、なぜか同じテーブルの向かいの席に天笠先生がやってきてしまった。

アジフライ定食をゲットしてきた先生は「前、いいかな」と椅子を引き、相席の許可を取る。

ダメですなんて言えるはずもない私は、もちろん「どうぞ」と言うしかなかった。

せっかくのランチの時間まで気を緩めず過ごさなくてはならないなんて、今日は本当についてない。

仕方なく食べるのに集中しようと黙々と食べ始めると、いきなり向かいから「いい食べっぷりだな」なんて言われてしまった。

おかげで食べるのも急に恥ずかしくなり、ペースダウン……。

意識しだしたら、天笠先生みたな麗しい男性を正面に食事をすることに、今更ながら緊張し始めてしまっていた。
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