医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


小学校二年生になる若林(わかばやし)航くんは、慢性腎炎でもう長い入院生活を送っている。

そう言われた航くんは、“まずい、バレてる”みたいなバツの悪そうな顔を見せる。


「いつも頑張って飲むのに、どうしたの?」

「……昨日は飲みたくなかったんだよ」

「毎日飲まないと、病気がよくならないんだよ?」


入院している子どもたちは、いつも本当に頑張っていると思う。

辛い治療、痛い処置、美味しくないご飯を食べ、薬だって休まず飲まなくてはならない。

そういう中で生活している子どもたちに、『頑張れ』と言うのは、時に辛い。

もう十分、毎日頑張っているからだ。


「よしっ! じゃあ、今日は頑張って飲めたら、新作作ってあげちゃう」

「え?! 新作、恐竜?」

< 2 / 130 >

この作品をシェア

pagetop