医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


「だからいつも、難しい顔ばかりしているうちに、子どもに怖がられる医者になってたんだな」


そう言って天笠先生は自嘲気味に苦笑を見せたけど、それには「そんなことないと思います」と即答していた。


「すみません……そういうことも、何も知らないで、私……先生に、あんな偉そうに」

「確かに、かなり直球でちょっと驚いたけど……」


さっきのことを思い出したのか、天笠先生は私の顔をチラリと見て笑いを堪えている。

当たり前だ。

笑えと命令した上に、顔に触れて指で唇を吊り上げさせるなんて凶行に及んだのだ。有り得ない。

冷静になって自分の行動を思い出すと、今更ながら顔から火が吹き出そうに恥ずかしくなった。


「せっ、先生って、笑えるんですね。絶対に笑わない人なんだと思ってました」


苦し紛れに自分のことから話題をすり替えてみる。

すると先生は、心外と言わんばかりに目を細めて私を睨んでみせた。

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