医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「絶対にって、どんだけ闇抱えてる奴なんだよ」
「だって、そう思ってたから……でも、そうじゃないなら良かったです」
いつも感情が見えない目が覗いていたレンズの向こう、今はその冷たさはないように見える。
それだけで、何だかホッとしたような気分になっていた。
「では、これからは、子どもたちにも笑いかけてあげてください。でも……」
「……?」
「足りない分は、私が先生のフォローします。なので、先生は変わらず、先生の仕事をしてください!」
今より少しでも、子どもたちが先生を怖いと思わなければいいな、と思う。
ドクターと患者さんを繋ぐのも、看護師としての大事な仕事だ。
「お茶、ご馳走さまでした!」
まだ開けていないペットボトルを手に、長椅子を立ち上がる。
「先生とこうして話すことができて、良かったです」
缶コーヒーのプルタブに手を掛けていた天笠先生は、黙って私を見つめていた。