医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
プライベートなお付き合い
「……よし、完成。力くん、この上のお薬がぜーんぶポタポタ落ちて無くなったら、おしまいだからね」
点滴の固定を済ませ、横になっている力くんを覗き込む。
ハンガーに吊るされた輸液ボトルを見つめる力くんは、泣いたあとの疲れた顔をしている。
採血や点滴は、何度やっても小さな子どもには恐怖でしかない。
「これ、白雪ちゃんが描いたの?」
「うん、力くんが頑張れるように、フライレッド描いたんだ」
「すごい……上手だね!」
泣き腫らした力くんの表情がパッと明るくなる。
点滴固定用テープに子どもたちの好きなキャラクターを描いて、処置の時間を少しでも楽しく過ごせるよう工夫している。
ナースステーションにいる時、時間を見つけてはテープにイラストを描いたり、折り紙を折ったり。
小児科のナースは、幼稚園の先生も顔負けな創作力を持っていると勝手に思っている。
「頑張ってるな」