医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


うちの小児病棟では、園や学校に行けない子どもたちがなるべく楽しく過ごせるようにと、毎月のお誕生日会や、季節行事のイベントを開催している。

もう少ししたら夏祭りを企画していて、小児病棟の看護師や看護助手は暇を見つけてはその準備に追われているのだ。

今、夜勤の先輩から聞かれたのは、そのお祭りで子どもたちにプレゼントするお面のことで、ただ今絶賛様々なキャラクターを描いて量産している。


「お疲れ様」

「あっ、お疲れ様です」


看護記録を入力していると、隣の席に天笠先生が腰を下ろした。

チラリと手元を見ると、鮮やかなブラインドタッチでカルテの入力をし始めている。


「さっきは、ありがとうございました」

「さっき、とは?」


画面に目を向けたまま、天笠先生は私の声に返事をしてくる。

私もまた画面へと視線を戻して口を開いた。


「力くん、嬉しそうでした。先生があんな風に話してくれて、楽しそうに話してたから」

「そう、なら良かった」


先生は大したことでもなさそうにサラリと答える。

長話をして仕事の邪魔をしても悪いと思い「ありがとうございました」と話を締めた。


「白雪さん、明日休みなんだ?」

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