医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「あ、はい」
「なんか予定とかある?」
「予定……いえ、特には」
「そう。じゃあ、ちょっと付き合ってほしいんだけど、どうかな?」
さっきの話の延長のように、なんともない調子でそんな話をしてくるものだから、よく内容を把握しないまま「はい」なんて答えていた。
でも、答えた直後に「え?!」とバッと顔を上げる。
天笠先生の顔を思わず凝視していた。
「まだ越してきて、この辺りのこと全然わからないんだ、地理的にも。だから、何がどこにあるかとか教えてもらいたくて」
やっぱり大した話じゃなさそうに天笠先生は言っているけど、これはとんでもない話をされている。
驚いている暇もなく、連絡先を書いたメモを置き、天笠先生はその場を立ち去っていってしまった。