医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「……よし、できた」
「やっと完成かよー、白雪ちゃん時間かかりすぎ。何回やり直してるんだよ」
一丁前に文句を言いながら、のぶくんは包帯を巻いた腕を振ってみせる。
「あ、ちょっと、そんなに振ったらまた取れちゃうでしょ!」
言っているそばから、巻いたばかりの包帯が端からはらりと剥がれる。
「こらっ! せっかくうまくいったのに、なんで取っちゃうのよ〜」
「腕振ったくらいで取れてたらすぐ取れるに決まってるだろー。相変わらず下手くそだなー」
下手くそなんて言われても反論できないのが悲しい。
看護師になってから気付いたけれど、私はとにかく不器用なのだ。
処置をするのも人一倍時間がかかり、やっとできてもこんな感じで出来が悪い。
たまに本気で落ち込んで、看護師は向いてないのじゃないかと思ってしまう。
「ほら、動かさない! やり直すから、ほら、腕出して」
そう言ってのぶくんの腕を取ろうとした時、すぐそばに人の気配を感じて振り返った。