医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
アレルギーを含め食べられないものはないか聞かれたけど、予約の段階ですでにメニューは決まったランチのコースが注文されていたようだった。
野菜や色とりどりのソースで、まるでアートのような前菜が目の前に並ぶ。
こんな素敵なところで食事をするのが久しぶりの私は、粗相をしないようにチラチラと先生の様子を窺いながら食事を進めていた。
姿勢良く優美に食事をする先生の姿は、こういう場が慣れているようにしか見えない。
きっと、ドクター同士の会食や接待で場数を踏んでいるのだと思う。
うちのセンター長も「昨日は三つ星シェフの〜」みたいなことをよく言っているからだ。
共通の話題として自然と出てくるのは病院のことや患者さんのことで、食事を進めながら会話は弾んだ。
感じ的には先生の質問に私が答えるような形で、先生が聞き手に回っているようなスタイルに。
今日は朝から緊張して過ごしてきて、更にはこんな素敵なところに食事に連れて来てもらってガチガチ寸前にまでなっていたけれど、いつしかいつも通りの自分に戻れて会話を楽しんでいた。
それは間違いなく、私が過ごしやすいよう、話しやすいような雰囲気を天笠先生が作り出してくれたからだ。