医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


「上がってください」

「いや、ここでいい」

「えっ?」


予想もしてなかった言葉に思わず振り返ると、天笠先生は濡れて貼り付くTシャツの胸元を浮かせながら微笑を浮かべた。


「女性の一人暮らしの部屋に、いきなり上がり込むのはどうかと思って」

「あっ……そっ、それもそうですよね、すみません!」


まさか先生の方からそんなことを言ってくると予想もしなかった私はタジタジ。

「タオル持ってきます!」と部屋の奥へと急ぐ。

そうだよね。
まともな男性なら、こうやって天笠先生みたいに遠慮するはず。

変に意識する方が自意識過剰だ。

それに、天笠先生が私に対してどうこう特別な感情を抱くわけもない。

何考えちゃってるの、私は。

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