医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛



丸く目の形に切り抜いた画用紙にスティックのりをぐりぐり押し付けながら、無意識に「ハァ……」とため息が漏れ出ていた。


「天笠先生、三号室の――」


誰かが口にした名前だけでビクッと無駄に心臓が跳ね上がる。

ナースステーションの内側からカウンターの向こうをそっと覗くと、廊下の真ん中で先輩看護師に引き止められた天笠先生が足を止めて立ち話をしていた。

長身で脚が長くなくては似合わないロングの白衣。

着られている感じになってしまうドクターの方が多いのに、天笠先生はいつ見ても決まっている。

話を聞き頷きながら首に掛けている聴診器を耳につける姿を、カウンター越しにじっと盗み見ていると、私の視線に気付いたように天笠先生のレンズ越しの視線がパッとこちらに向けられて、慌ててカウンターから出していた頭を引っ込めた。

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