医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


抱き締められたのも、キスをされたことも、慰めだったのかもしれない。

私が看護師の仕事に自信がなくなったようなことを口にしたから、天笠先生は一緒に働くチームの仲間として、励ます気持ちでいたのかもしれない。

あの日が過ぎて、病院で再び顔を合わせた先生を見れば、そう解釈するのが自然だった。

何か特別な感情があったとかではなくて、言ってみればあの時の雰囲気に呑まれた部分もあるのだろう。

それ以上のことなんてきっと何もない。

だから私も早く、変に意識しないで今まで通りにしないといけないよね。

気を引き締めて、お面作りを再開する。


「白雪ちゃーん、いるー? ちょっと来てー」


するとすぐ、カウンターの向こうから声かけられた。

覗いてみると、のぶくんがナースステーションにやってきていた。

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