医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


「この間、うちの母さんが見たって言ってたんだけど、外で。どーなの、白雪ちゃん」

「えっ!?」

「デートしてたんじゃねーのー?」


そういうことか、聞かれた内容でそうピンと来た。

この間、天笠先生とプライベートで会った時、まさかの患者さんの保護者に目撃されていたということだ。

看ているのが入院する子どもたちだから、外で誰かに見られることもないと思ってたけど、その家族のことにまで頭が回らなかった……。


「そっ、そんなんじゃありません!」


デートじゃないし!

だけど、ここで弁解するのは違う気がして、余計なことを口走らないように口を噤む。


「えー、じゃあなんで休みの日に一緒にいるんだよー」

「だから、それはっ……」


達者な高学年男子にタジタジになりながら、上手く交わす方法を考える。


「看護師いじめるなー」


そんな時、賑やかな教室に「ほらほら、席付けー」と慣れた様子で入ってくる教師のようなノリで、天笠先生が病室へと姿を現した。

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