医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


え……?


上手いこと弁解して丸く収めようとする私の言葉を制して、天笠先生が口を開いた。

その言い方ははっきりと否定するものではなく、むしろ含みを持たせているように私には聞こえてしまう。

恐る恐る天笠先生へと顔を向けると、余裕のある笑みを浮かべて子どもたちを見ていた。


「え!? じゃあやっぱり、白雪ちゃんと先生って」

「君たちのご想像にお任せするよ」


そんな言い方したら、この子たち完全に勘違いしちゃいますけど?!

先生の発言にハラハラし、オロオロとする私へ、天笠先生は「このテープ固定、ちょっと強すぎるな」と、さっき私が直した航くんの点滴を見て言う。


「血行障害を起こす場合もあるから、弱すぎず強すぎずで固定した方がいい」

「あっ、は、はい! やり直します」


指示されても天笠先生の顔も見ることもできず、「ごめんね」とそっと航くんの手を取っていた。

< 81 / 130 >

この作品をシェア

pagetop