医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


大人の事情に口を挟むな、とか。
ご想像にお任せする、とか……。

天笠先生は、一体どういうつもりで言ったのだろう。

いくら子ども相手だからといったって、あの場には私だっていたのだ。

処置がひと段落してナースステーションに戻り、輸液の補充をしに物品管理室へと一人入っていた。

ナースステーションへと持ち出すために、箱の中に必要な在庫を詰めていく。

でも……迷惑そうだとか、そんな感じは見受けられなかった気がする。

そう思ってしまうのは、自意識過剰なのかな……?


「……よしっ」


両手にダンボールを抱えて物品管理室を出ていく。

液体ものをぎっしり入れたからなかなかの重量だ。


「おいおい、大丈夫か?」

「へっ?」


声を掛けられて振り返ると、背後の廊下の先に天笠先生がいるのが目に映った。

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