医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「親御さんで、あの日の私たちを見かけられた方がいたそうなんですよ。それで、子どもたちにまで広まってて……冷やかしというか、追求というか……」
「ふ〜ん……そうか」
「いや、そうかって」
「なんとでも言わせておけばいい。俺は何も困らない」
先生はあっさりと言い放つ。
見上げた横顔には、薄っすら笑みが浮かんでいた。
「困らないって、言いますけど……でも、勘違いされる相手が私って、先生には迷惑かと――」
「だから、なんで迷惑なんだ。気にするあたり、君が迷惑だという風に聞こえるが」
「そっ、そんなことは! 私の方は、全く迷惑なんてことなくて、むしろ光栄といいますか!」
自分でも何を言っているのかわからなくなってきて、次第に赤面していくのを感じる。
ナースステーションにたどり着き、天笠先生は代わりに運んでくれたダンボールを軽々台の上へと置いてくれた。