医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


「すみません、ありがとうございました」


交代して持っていたA4サイズの封筒を差し出して、ペコリと頭を下げる。

赤らんだ顔を見られたくなくて、できればそのまま顔を上げたくない気分だった。

その気持ちからか、俯き加減で運んでもらった箱の中身なんかのチェックを始めてみる。

と、頭上から突然くすぶる笑い声が聞こえてきて、つられるように顔を上げてしまっていた。

そのタイミングで頭の上に先生の手が載り、髪をくしゃくしゃっと撫でられる。


「しっかし、光栄って……」

「えっ?!」


今のクスクスは、どうやらさっきの私の発言に対しての、思い出し笑いだったらしい。

紅潮したびっくり顔で目をパチクリする私を、天笠先生はまた笑って見つめる。

何も言えないまま、医局へ向かっていく後ろ姿を見送っていた。

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