医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
夏祭りと未来の約束
エアコンをつけて寝ているとはいえ、夏の真昼間は寝苦しさが続く。
風に当たりっぱなしも身体に悪いと思ってタイマー設定にしてみても、切れると部屋の中は即蒸し風呂状態となり、そのせいで目が覚め、そこから寝付けなくなる、というパターンも少なくない。
夜勤をしている限り夏場の永遠のテーマになると思われるけど、やっぱり人は暗い時間に寝るのが一番いいのだと思う。
今日もエアコンのせいでの気怠さと寝不足を引き連れて病院へと出勤すると、昼間勤務していた天笠先生にいきなり捕まった。
「え、じゃあ、来週には向こうでオペに……?」
「ああ、やっと受け入れの態勢が整ったから、その説明は今日ご両親に」
うちに長く入院している航くんが、天笠先生が以前いた関西の大学病院で腎移植手術をすることが決まったという。
今まで、入院での食事改善や薬の治療をしてきたけれど、病状は進行し、これらの治療では追いつかなくなってきていた。
本人の学校へ行きたいという希望を知っているご両親は前々から腎移植を希望していたのだ。
天笠先生は向こうのドクターと連携を取って、航くんの治療計画を立ててくれていた。