私の失恋の行き着く先は…No.5


同じ会社だから、いずれは顔を合わせる日がやって来る。

たった一日避けられたとしても、ずっと会わない保証などどこにもない。

これがただの気休めであることも頭ではわかっている。

けれど、私はどんな顔をして彼を見ればいい?

言葉は交わせる?

普通の態度でいられる?

私はどれにも自信がない。

顔を見たら、泣くのを我慢出来ないかもしれない。

挨拶すらまともに交わせないかもしれない。

醜態を晒してしまうかもしれない。

彼にとっては迷惑極まりないはず。

私は過去の女なのだから…。

「酷い顔…」

帰りの新幹線の中で、窓に映る自分の顔を見て苦笑いしてしまう。

本当に酷い顔をしている。

少しやつれた、血の気の引いた青白い顔。


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