私の失恋の行き着く先は…No.5
新幹線に乗る前に、ちょうど範子ちゃんから電話があった。
『青山課長に一通り説明して書類も無事渡しました』
『そう、良かった。さすが範子ちゃんね』
『冴子先輩のおかげです』
『わざわざ電話してくれなくても、明日で良かったのに』
『あ、それが、青山課長に扶養について訊きたいって言われまして。もしかして青山課長、結婚されるんですかね~』
『……』
『もしもし?冴子先輩?』
扶養…、結婚…。
頭の中でぐるぐると考えてみても、結論はそういうことなのだろう。
噂は噂ではなく事実だったということ。
『範子ちゃん、ごめん。今から新幹線乗るから、じゃあね。お疲れ様』
『えっ、ちょ…』
範子ちゃんの返事を待たずに電話を切った。