私の失恋の行き着く先は…No.5


新幹線に乗る前に、ちょうど範子ちゃんから電話があった。

『青山課長に一通り説明して書類も無事渡しました』

『そう、良かった。さすが範子ちゃんね』

『冴子先輩のおかげです』

『わざわざ電話してくれなくても、明日で良かったのに』

『あ、それが、青山課長に扶養について訊きたいって言われまして。もしかして青山課長、結婚されるんですかね~』

『……』

『もしもし?冴子先輩?』

扶養…、結婚…。

頭の中でぐるぐると考えてみても、結論はそういうことなのだろう。

噂は噂ではなく事実だったということ。

『範子ちゃん、ごめん。今から新幹線乗るから、じゃあね。お疲れ様』

『えっ、ちょ…』

範子ちゃんの返事を待たずに電話を切った。

< 22 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop