私の失恋の行き着く先は…No.5
気づけば、新幹線に乗っていた。
ただ、ぼんやりと窓の外の景色を眺める。
いつの間にか頬に涙が流れ落ちていた。
車内が空いていて良かった。
こんな姿、誰にも見せたくはない。
でも、今だけ…、少しだけ…。
今日が直帰で良かった。
とてもじゃないけど、会社に戻れる状態ではない。
到着まで二時間、嗚咽を噛み殺しながら涙を流し続けた。
もうすぐ到着する旨のアナウンスが流れると化粧室に向かった。
鏡に映る酷い顔をなんとか修正していく。
ひとまず道を歩いても大丈夫なくらいにはなった気がする。
ホームに降り立つと同時にスマホが鳴った。
『冴子先輩?やっと繋がった~。あのですね…』
範子ちゃんからの電話はなぜか聞き取りにくい。
電波が悪いのだろうか。