私の失恋の行き着く先は…No.5
「範子ちゃん?電波が悪いみたい。ちょっと聞き取れない。急ぎ?」
『…課長…、そっち…、あれ?もしもし…』
「ごめん。かけ直すから」
ほとんど聞き取れなかった。
課長という単語が聞こえた気がするけど、言付けでもあったのだろうか。
一旦電話を切って改札を出る前の人が少ない場所に立ち、範子ちゃんにかけ直した。
「範子ちゃん?聞こえる?」
『はい、大丈夫です。冴子先輩、もう着きましたよね?』
「改札出る前だけど、なにかあった?」
『青山課長が冴子先輩を迎えに行ってます。多分改札出たところにいらっしゃるかと。それを伝えようと思って。っていうか、冴子先輩と青山課長ってお知り合いだったんですか?』
なんの、話…?
範子ちゃんの言ってることが理解出来ない。