私の失恋の行き着く先は…No.5


「陽亮さん、結婚するんでしょう?相手は…、噂で聞いた。年下金髪美女で、営業アシスタントで、同棲してて…」

「待て待て待て」

陽亮さんは私の言葉を遮って勢いよく立ち上がると、私の目の前に跪いた。

「俺が誰と結婚するって?」

大きな手で頬を撫でられる。

「だから…、年下金髪美女で、営業アシスタントで、同棲してて…」

なんでこんなことをもう一度言わないといけないんだ。

悲しくなってきて、いつの間にか頬に涙が流れ落ちた。

「誰だよ、それ」

陽亮さんは項垂れて大きく溜め息をついた。

「誰かは…、知らないけど…」

「俺の周りにそんなヤツいないけど」

「えっ!?向こうで知り合った、とか…」

< 29 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop