私の失恋の行き着く先は…No.5
「今後のためにっていうのは、つまりこういうこと」
陽亮さんの腕の中に包まれると、心底安心する。
いつまでもこうしていてほしいと願ってしまう。
けれど、陽亮さんはすぐに腕の力を緩めて、くっついていた身体が離れていく。
「陽亮さん…」
陽亮さんはポケットから小さな箱を取り出して、私の目の前で開けた。
「冴子、俺と結婚してほしい」
「えっ!?結婚!?」
私は自分自身を指差した。
「わ、私と…?」
「結局待たせてしまったけど、今までもこれからも、俺は冴子を愛してる」
私がうんうんと頷くと、陽亮さんは私の左手薬指に指輪を嵌めた。